Case Study 乳酸菌事業

Case Study 乳酸菌事業

創業以来のコア技術の一つである発酵技術は、「パン酵母(イースト)」や「還元型コエンザイムQ10などの機能性食品」を生み出してきました。そこには、安全性が確認され、ヒトへの効果が明確なデータにより裏付けられた素材を開発し、人々の健康で活力に満ちた人生に貢献したいという経営の想いと社員一人ひとりの想いがつながっています。
そして、新たな展開を図るため、独自の乳酸菌の研究開発を追求するスペインのAB-Biotics, S.A.(以下、ABB社(※1))を2018年にグループ会社化しました。このABB社の乳酸菌製品と当社の機能性食品素材、乳製品を組み合わせることで独創的な製品を市場に届け、人々の健康に貢献する事業へと発展させていきます。

※1 ABB社は創業者であるSergiとMiquelがUniversity Autonoma of Barcelonaの学生であった2004年に設立されました。創業後、研究開発を積極的に進め、現在では200を超える特許を軸に60カ国以上の地域でビジネスを展開しています。

現代人に失われつつある腸内細菌の多様性と乳酸菌の役割

ヒトの腸管、主に大腸には約1,000種類、100兆個にも及ぶ多様な腸内細菌が生息しています。そして腸内細菌は、善玉の菌と悪玉の菌、そのどちらでもない中間の菌と、大きく分けて3グループで構成されています。これらの菌は互いに密接な関係を持ち、複雑にバランスをとることで、ヒトの健康と大きく関わっています。
ところが、都会に住む現代人の腸内細菌は、医薬品などの抗生物質や人工的な添加物などの影響で、本来持っている多様性(ダイバーシティ)が損なわれているといわれています。多様性の低下、すなわち菌の種類が減ることとさまざまな疾患との関連性が証明されるようになってきました。このバランスを取り戻すために重要な役割を果たす菌の一つが乳酸菌なのです。
近年、乳酸菌は整腸や免疫力改善効果に加え、アレルギー症状の緩和、感染予防などの新たな効果が注目を集めており、ヨーグルトをはじめとした乳製品、機能性食品、サプリメントなどへの使用が急速に拡大しています。

ABB社が有する機能性乳酸菌の特徴

ABB社が有する機能性乳酸菌の特徴
効果 ABB社 製品名 製品特徴
心臓 AB LIFE LDLコレステロール24%低下
免疫 AB IMMUNO インフルエンザ感染の減少
IBS I3.1 IBS(過敏性腸症候群)の痛みの軽減だけでなく、総合的な症状の改善
口腔 AB DENTALAC 効率よく歯周病菌を減少
子ども AB KOLICARE 乳児の泣く回数が68%減少
女性 AB INTIMUS 感染症の再発率の減少

他に真似のできない菌株の組み合わせで優位性を発揮

乳酸菌関連の市場にさまざまな企業がひしめくなか、カネカのグループ会社であるABB社は高い研究開発力を強みとして、ヒト本来が持つ健康な腸内から抽出されたプロバイオティクス(※2)の独自菌株を550株以上も保有しています。その菌株は、心臓病のリスク低減や腸内環境改善、歯周病菌の減少、感染症の予防などヒトでの効果およびそのメカニズムが明確であることが差別化ポイントの一つです。
当社とABB社の乳酸菌製品の特長は、例えば免疫力向上などのターゲットを定め、そのターゲットに一番効果のある菌株を複数組み合わせができることです。同じ症状でも、原因は人により異なりますので、多様な効果、多様なメカニズムを持つものを供給できることで、効く人の比率を高め、より高い効果を得ることができます。この方法は他社製品よりも優位性を有していると考えています。

※2 腸内環境を改善し、整腸作用や免疫調節作用などヒトに有益な生きた微生物群や、それを含む食品。

Pharma & Supplemental Nutrition Solutions Vehicle 健食Strategic Unit 幹部職 植田 尚宏

Pharma & Supplemental Nutrition Solutions Vehicle
健食Strategic Unit 幹部職
植田 尚宏

カネカが有する知見や技術が付加価値を高める

カネカは発酵生産物、植物抽出物の研究開発を40年にわたり行ってきたことから、臨床実験によるエビデンス(科学的根拠)に基づいた知識?ノウハウを豊富に蓄積しています。一方、ABB社は乳酸菌の知見を多く有しており、両社が組むことで、エビデンスのしっかりとしたより効果の高い、多くの乳酸菌製品群を増やすことが可能となります。
カネカの発酵生産のノウハウをABB社の乳酸菌製品生産に活かすことで、コストダウンにもつながります。さらにカネカの持つ医薬や食品への展開による用途拡大や、グローバルな販路での販売など、より多くのシナジーが生み出され、付加価値を高めていくことができるようになってきています。両社の専門領域は異なっていますが、エビデンスが明確で、かつ安全性の高い製品を多くつくって広く世の中に展開し、人々の健康を支えていきたいという同じ思いで乳酸菌の研究開発および製品化を進めているのです。

理事 Pharma & Supplemental Nutrition Solutions Vehicle 健食Strategic Unit 博士(農学) 中川 格

理事
Pharma & Supplemental Nutrition Solutions Vehicle
健食Strategic Unit
博士(農学)中川 格

市場の特性を把握しお客様へ価値を訴求

乳酸菌の市場については、アメリカが世界最大であり、当社としても最重要市場と位置付けています。そのため、アメリカ西海岸で乳酸菌専門組織を立ち上げ、事業開発に注力するとともに、展示会や学会においては「Floradapt」という当社ブランドの浸透を図っています。
アメリカには国民皆保険制度がないため、セルフメディケーション(※3)の考えが強くあります。乳酸菌はこのような予防医療のニーズに合致し、リーズナブルな価格で購入できる製品として市場は堅調に伸びています。今後は日本でも予防医療のニーズが顕在化してくると考えており、市場は安定的に拡大していくと予想しています。
乳酸菌の摂取方法や機能、カテゴリーの訴求については、各国で状況が異なっています。日本では乳酸菌製品の9割以上がヨーグルト製品であり、その多くにおいて機能性をうたっていますが、アメリカではヨーグルトは嗜好性の高いものであり、乳酸菌製品の3分の1以上がサプリメントで摂取されています。ヨーロッパはその間ぐらいのイメージです。また、日本では尿酸や中性脂肪を下げるなどのさまざまな新しい機能を訴求していますが、アメリカでは女性向け、高齢者向けなど、カテゴリーを訴求する製品が多いのが特徴です。
カネカでは、このような市場性の違いを考慮した上で、お客様にあわせた価値を訴求していきます。

※3 自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること。

Pharma & Supplemental Nutrition Solutions Vehicle 健食Strategic Unit 上席幹部 宮路 博之

Pharma & Supplemental Nutrition Solutions Vehicle
健食Strategic Unit 上席幹部
宮路 博之

当社乳酸菌製品ブランド「Floradapt」シリーズ

当社乳酸菌製品ブランド「Floradapt」シリーズ

機能と美味しさの両面から独自のポジションを確立

カネカとABB社が供給する製品はエビデンスが明確です。アメリカでは臨床データがあれば機能性表示の記載が可能である一方、日本では特定保健用食品(通称 トクホ)表示の許可を受けるには厳しい審査があり、機能性表示制度においても消費者庁への届出が必須です。今後、機能性表示を活用してその効果効能を分かりやすくご理解いただけるようにサプリ市場においては機能性を明示して販売していきます。
また、乳製品のような食品市場に関しては、効果があっても美味しくなければ消費者には続けてご購入いただけないと考えています。そこで2018年1月に技術提携を行った、有機乳製品をヨーロッパ各国へ展開しているベルギーのPur Natur社の「美味しさ」とABB社の「効果」を両立させた他社にない独自の機能性ヨーグルトを日本市場においても展開していきます。
さらにBtoBの面では、単に乳酸菌を売るだけでなく、お客様と一緒に消費者への提供価値を考えていくことで差別化を図っていきます。同時に通販を行っているグループ会社のカネカユアヘルスケアで先行して商品を販売し、消費者に商品価値を認識してもらうことでBtoBのお客様にも選んでいただきやすい状況につながると考えています。

Pur Natur社ヨーグルト製造技術+AB Biotics社機能性乳酸菌=機能性ヨーグルト

健康長寿に貢献するという軸をぶらさず日本から世界へ展開

今後、日本を含め世界的に医学が進歩し長寿化していくことに伴い、健康で長生きする「健康長寿」が非常に重要になってきます。特に日本は長寿国であるため、いわば先端を行っていると思います。日本でモデルケースをつくってグローバルに展開していこうと考えています。
われわれは、よりよい乳酸菌を開発し販売するだけではなく、健康経営あるいは健康長寿に資する素材として、ソリューション全体に活かしていくことで、さらなる社会への貢献を目指しています。

左から植田 尚宏、中川 格博士、宮路 博之

高い競争力が共創でさらに成長
ABB社創業者によるメッセージ

ABB社は創業者であるSergi Audivert(写真右)とMiquel Angel Bonachera(写真左)がUniversity Autonoma of Barcelonaの学生であった2004年に設立されました。
創業後、研究開発を積極的に進め、現在では200を超える特許を軸に60カ国以上の地域でビジネスを展開しています。2018年にカネカのグループ会社となったことにより、メンバーのモチベーションも高まり、さまざまな協業で成長が加速しています。今後、カネカの持つ長年のモノづくりの経験とグローバルな市場展開力は、ABB社の競争力と生産性を高めることにつながり、幅広い相乗効果を期待しています。ABB社はヘルスケア領域で存在感を示すことができるよう、貢献していきたいと思っています。

これまでにない価値ある乳酸菌で、
アメリカ市場を開拓中

最大の健食市場である北米で、専業チームを創設し、ABB社のエビデンスに基づいた乳酸菌を差別化起点として市場開拓に取り組んでいます。「Floradapt」というブランドを2018年に立ち上げ、より付加価値の高い最終製品形態までの供給者を目指し、販売促進/顧客開発、それを支える学術強化/薬事対応に取り組んでいます。また取り扱いが難しく品質の技術蓄積が必須の乳酸菌は、現地製造?供給システムが重要で、ローカル業者との提携を進め、競争力強化にも注力しています。ハードルもありますが、米国チームやグローバルサポートにより乗り越え、米国市場に当社地位を確立し、当社健食事業の新たな柱の創出を目指していきます。

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